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MUSIC AS MAGIC!! Singer Songwriter Mellow Symphony's Blog

2019/04/09

音楽で会話をするとき

セッション
音楽を奏でる者同士が
その場で行う即興演奏。瞬間的な対話。

そのお話が楽しいものか、不機嫌なものか
ちぐはぐなのか、ぴったりと息のあったものになるのか。

それは聴いている人にも伝わるし、
鳴らしている人たちにはさらに深い部分で伝わるものがあると思う。

トロントで暮らしていたときによくセッションをやった。
それは完全に即興だけでつくるランダムなものよりは
みんなが知っている曲を使ってよくやっていた。

いや、みんなではなく、
歌い手が知っている曲がほとんどだったかな。

それはミュージシャン同士の交流の場で
よくあったように思う。

ギターやベース、ドラムやキーボードは
その曲を知らない。

歌い手の演奏にあわせて回りのミュージシャンは音を足していく。

歌い手はコード譜を用意する人もいれば
コード譜がなくても曲がある程度認知されていて
コードが複雑でなく口頭で説明できたりすると
成立しやすかった。

難しいのはドラムだった。
歌い手が口頭で説明するのも難しいし
もちろんセッションする前に大抵練習する時間などない。

だからドラマーは探り探りのなかで曲を演奏する。

僕がセッションしたことのあるたくさんのドラマーのなかに
本当にすごいと思える人が何人かいて

カバーだろうがオリジナルだろうが
演奏をばっちり合わせてくる

欲しい雰囲気のリズムを叩いてくる

そんなドラマーがいた。


どうして知りもしない曲をいきなり演奏して
そこまで曲にあったドラムが叩けるのか

一度そのすごいドラマーの一人に尋ねたことがある

彼はいった
「俺はただ君の演奏をよく聞いているだけだよ」

彼のプレイを傍目から見ていると
フロントで歌う人の伴奏楽器の弾き方、
リズムの取り方、もちろん歌声や鳴っている楽器の音に
とても集中力を注いでいるのが分かった。

その中から彼の豊富な経験とリズムパターンを組み合わせて
その楽曲に合うパターンを導き出しているのだろう。

それも最初からぴったり正解を狙うというより
ちょっと方向性がずれたときに修正がきくような、
ベーシックなところから入って
曲が最初からサビまで一周するあたりで
雰囲気を細かくとらえようとしている印象だった。


そういう人とのセッションは好きだった。

サッカーをしているときに
キレイで正確すぎるパスをもらうと
逆にびっくりしてトラップやシュートをミスするというか

まさかこんなことができるの!?
という驚きと共にすごすぎて笑ってしまう…

そういう人が世の中にはいるんだよね。


そういう人たちとのセッションは
驚くほど、笑っちゃうほど、楽しいから
またぜひお話したくなる。

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