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2012/11/16

Bob Dylanというアート

トロントでのビッグコンサートは三度目。
Coldplay、Sigur Rosに続き、Bob Dylanを見てきた。
正直、めちゃめちゃ見たかったから、もう行けるだけで嬉しかった。
いつ死んでしまうかわからぬ感もあると言えばあるし。

ディランのライブテイクを何度か音源で聴いた事があるが、彼のライブでは、数々の名曲が大胆にアレンジされて演奏される事がしばしばあるようで。

今回もCDで聴いていたあの曲、この曲、聴きたい曲はたくさんあったが、聴く事が出来た名曲の幾つかは、殆ど原型を留めて居ないアレンジだった。

Like a rolling stone 、Blowin' in the windなどなど。ディランが歌い出して、歌詞を聴いていてようやく何の曲か分かるような。
ありゃあスゴイ。コンサートに来ている一般客はそんな大胆にアレンジされている曲よりも、オリジナルがきっと聴きたいハズなのに。

そして、他のコンサートと違って、カメラも基本的には持ち込み禁止。嫌いなのだろうか…とはいえ、開始後は会場中でたくさんのフラッシュが光っていたけど。

多分だけど、喉が潰れてもうあまり歌えないのではないだろうか。殆どの曲は、歌っていると言うより、しゃがれ声でディランが語っているような歌い方だった。
それでもたまーに、メロディーを歌うと、実はスゴくピッチが良さそうにも聞こえるから不思議だが。
Lay Lady Layとかの喉と比べたら、そりゃ歌えるハズないかなという気もしなくも無いが…。

スタートした時も、客席に背中を向けんばかりの角度で、座って鍵盤を弾いて歌っていた。客席側のディランの側面には機材がおいてあり、ディランがなにしているのかよく見えない。加えて鍵盤もそんなに上手ではない。
そして、たまにブルースハープ片手にフロントに出てくる。因みにハープはやっぱり上手い。
更に何とハンドマイクで歌う。
そして、遂にディランがギターを弾いて歌う事は無かった。

という。
肩透かしというか、終始、こちらが期待する事などどこ吹く風のディランなのだ。
ヒットソングも演っているし、バックバンドがまたいい演奏していて、流石というか。
結局終わった後には、見てよかったぁという充足感と共に、何とも言えぬキツネにつままれたような、呆気にとられた感もあり。
総合的なコンテンポラリーアートを堪能したような気分だった。

期待をいい意味で裏切り、媚びもせず、満足もさせる。
そんな事が出来るのは、一体世界にあと何人いるだろうか。
歴史を創ってきた男には、やはり一見の価値がありまくりだった。

2 件のコメント:

  1. はじめまして、通りすがりです。
    わたしも21日にNYで見ましたが、まったく同じ感想でした(笑)

    コード進行でやっと「もしやアノ曲?」みたいな原曲度外視と
    終始ディランのギターが聞けなかったのは残念でした
    初ディランだけに...

    あるいみ我道をいくボブ・ディランらしくて良いのかもしれないですね。

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    1. はじめまして!
      すみません、せっかくコメント頂いていたのに、ようやく気がつきました(2ヶ月近く経って)。失礼しました。

      そうでしたか、同じ日本人が世界中の違う場所で見ているとは何だか嬉しいです。
      そして、同じ感想だったとは…笑

      いや、ホントに、我道をあれだけスパーッと行ってくれると、逆に気持ちいいです!

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