レインストリートに
優しく散る桜の花びら
怯えているあなた
相変わらず一歩を
踏み出せない
踏み出せないまま
静かにときを重ねて
ときを重ねながら
どこかでまた
頭の隅で考えている
ここにはない現実が
もし本当にあったら
一足だけ
片足の
つま先だけ
ちょこんと
動かしたあの日
突然我に返ったかのように
慌てて引っ込めて
そのまま
甲羅に首をうずめた亀のように
もう
出てこない
逃げるように
置き去った言葉
少しの本当と
たくさんの隠し事
伝えられないから
はぐらかすしかできない
本当のことだから
伝えることはできない
真実は
あまりにも
すべてを変えて
今あることが
苦しみさえ生みだす
そんなふうに思えてしかたない
それは
とても
怖いこと
夢みたいな話は
不確かなことがありすぎて
信じきるには
あまりに危うく
それでいて甘美だ
You're just too good to be true
それでも
胸の奥にしまい込んだ
真実の目が
あの日と同じように
不思議な瞳で
見つめてしまう
Can't take my eyes off of you
言葉は届けないけれど
もう少しだけこのまま
たまに
ほんのすこし
見つめさせて
あなたは
私が怯えてしまう
水と太陽と森のような存在
桜のストリートに
優しい色のレインと花びら
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