胸元で眠るきみ
歩いている振動は好きみたい
ひとしきり歩いたのち
少し休憩に座ってみる
ふだんは
立ち止まったり
背もたれがゆったりとした椅子に
寄りかかるように座ると
たちまち目を覚まし
すぐに反応して
身体をのけ反らせるほど嫌がったりするのに
今夜はやけにおとなしい
そんな日もあるのかと
家にたどり着き
着替えたときに気が付いた
あ、
マスウェルのTシャツ着てた
ははは
きみも
好きなのかい
Mellow Symphony's Blog. It's a random blog/ essay/ poem written by a singer song writer Mellow Symphony(Shingo Natori). シンガーソングライター「メロウシンフォニー」のブログ/エッセイ/ポエムです。https://mellowsymphony.net/
胸元で眠るきみ
歩いている振動は好きみたい
ひとしきり歩いたのち
少し休憩に座ってみる
ふだんは
立ち止まったり
背もたれがゆったりとした椅子に
寄りかかるように座ると
たちまち目を覚まし
すぐに反応して
身体をのけ反らせるほど嫌がったりするのに
今夜はやけにおとなしい
そんな日もあるのかと
家にたどり着き
着替えたときに気が付いた
あ、
マスウェルのTシャツ着てた
ははは
きみも
好きなのかい
たまに不思議なんだ
きみは人生何周目だい? なんて
ほんとうかどうか
分かりもしないのに聞いてみたくなったりして
輪廻転生みたいなことが
ほんとうにあるとして
一年前から
きみがここにくることは
決まっていたりしたのかな
偶然にしてはできすぎて
そんなまさかって
口にしないようにしようって思うくらい
きみがここにきてくれたことは
偶然じゃないみたいなんだ
大切な友がこの世を去ったその日
いのちについて考えていた
思い出せばさみしいし
考えれば無力感をおぼえる
あの街に戻ってもなにかが足りなかったり
なにか奥の方でじわじわと
消えない鈍痛のようなものがあるみたいに思えるくらい
水曜日の男がいなくなって
できた穴は僕にとって大きい
そうやって
ひとのいのちの営みというのは
新たに起こったり、消えたり
明滅を繰り返すものなのかもしれない
夜
わずかな動き
君は
お腹をおさえてる
さっきまでなんともなかったのに
慌てて僕は
時間をみて
飲んでいたグラスも放り投げ
しばし待つ
気がつけば短い間隔
真夜中
君は
動きだす
「待ってるからね」
ずっとそう話しかけていたから
心の準備はできていたはず
それでも慌てて
タクシーに乗りだす
痛みや興奮
アドレナリン
そしてタクシーの乗り合わせ場所
多めの荷物
車内の匂い
夜中の風
苦しそうにうつむく彼女
妙な支払いの仕組み
そんなものを全部ひっくるめて
降車したのは急患用入り口
どこなんだここは
すみませんけど、誰か!!
なんとしても今すぐ
15階に行かせてくれ!
にぎやかな季節を
静かに過ごす
きみを待っている
満たされたように
緩やかな時を楽しみ
きみの訪れを待つ
望むことは
それほど多くはないが
ただ穏やかに
時がくることを願う
真夜中に浮かぶ満月
それを鏡のように映し出す海
そこに潮が満ちていくように
ぼくの胸に
湧き上がる思い
きみを待つ夏の
持つぼくの季節
春がきたわ
そういう街の声をきかない
春がきたぞ
そうした鳥のさえずりなどもない
ええい、これで春にしてやる
そんな一番の強風も吹かない
雨はたまに
しとしと降る
ただ
雪が舞ったり
冷たい風が吹いたり
0度前後を行ったりきたり
気がつけば道路の端に積もっていた
雪がなくなっていて
10度を越える日がたまにでて
桜(寄贈されたソメイヨシノ)の開花をチェックするひとが写真を挙げて
街行く人の数が
少し前より多くなり
みんなの上着が少し軽くなってきたら
それは
春の合図
決してぽかぽかでもなく
暁を覚えずというほどの眠りにもならず
出会いや別れの季節でもなく
真冬に着ていたジャケットを
Tシャツの上から着ても
十二分か
下手したら小汗をかく
吐く息も白くなく
まぶたの辺りで凍りつくこともない
でも朝や夜には
厚手のものを着ていないと
外は寒い
毎年忘れそうになる
が
それくらいが
この街の
春なのだ
ウチには
ルンバみたいな掃除機がある
ルンバみたいではあるけど
謎ブランドの掃除機なので
「サンバ」と名付けた
サンバはよく配線をとんでもなく絡ませたり
軽いものはブルドーザーみたいに押して部屋のものを移動させたり
ちょっとしたカーペットと床との高低差に突っかかったり
自分の場所を見失ってベース(充電器)に戻れなくなったりする
吸引力もそれほどではないため
ちょっと目立った汚れがあるときには
サンバだけでは事足りないので
スティッククリーナーを使って自ら吸い上げる
先日
サンバに仕事をさせながら
いつものようにスティッククリーナーを同時に使って気になるところをサッと掃除した
スティッククリーナーを片手に
サンバにぶつからないよう注意しながら前を横切ったとき
ふと考えた
僕は今
「AIから仕事を奪っている」のだろうかと
あれから15年
健やかに
日々を
笑ったり怒ったり感動したりしながら
暮らしていけることを
ありがたいことだと
噛みしめる
人生はなにが起きるか分からない
予想できなかった大震災
津波
原発事故
東日本大震災の恐ろしさ
その衝撃、悲しみや苦しみ
それがもたらした被害
それら刻まれた傷みは
体験した人々の胸から
完全に消えるということはないのだろう
それでも今
この世に
こうしていられるのだから
いのちを全うしたい
そして
できることから
すこしずつでも
自分以外の存在に
エネルギーを使いたいものだ
そんなことを想いながら
今日を過ごしていた
そして夕方
画面越しにみる
中東の景色に
胸をいためていた
くまちゃん
そっちはどうだい
…なんてね
なんもないかな
無かな
それとも
魂は
どこかうろうろしているのかな
まったく
嫌だな
この間
誕生日だったね
今生の別れを経てからの
誕生日だった日ってのは
お祝いしていいもんかね
去年までは
お互いの誕生日にはメッセージして
「お互い健康にやろう」なんて
言い合っていたのにね
まーったく
嫌だね
まあ
こっちはなんとかやっているよ
ちゃんと言った通りに
健康に気をつけているし
それから
記憶のなかに残っている
声を
再生したりしてね
くまちゃんの声や動画
写真とか
みんなのおかげもあって
俺も自分の以外に見たりする機会もあるし
笑い声とか
あの笑顔とか
冗談をいうとき
高めに僕の名前を呼ぶあのトーン
そんなのは
頭にちゃんと残っているからさ
たまにはなんか
万物の力を借りたりして
なんかメッセージでもちょうだいよ
今年の漢字に
選ばれてみたりとかさ
マジでウケるね、あれ
流石だよ
また
よろしくね