Mellow Symphony Official Blog

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MUSIC AS MAGIC!! Singer Songwriter Mellow Symphony's Blog

2026/09/12

日の光がみえたとき

病院の廊下を抜ける

両側に開く仰々しい扉を押し開けて
移動したのは15階
窓がある部屋

部室のような、給湯室のような、
機能性に重点が置かれたような空間

よく見ればあれこれ器具が置いてあり
部屋の端にはソファもあった

「それじゃあこのベッドにうつりましょう」
と苦しむ彼女はサポートをうけながらベッドを移してもらう

「あなたの荷物はここに」と僕には木の棚を開いて見せてくれた


お、お邪魔します…って感じで
誰か入院している人のお見舞いにきたような雰囲気を感じながら

同時に
覚悟をする

どうやらここが…(ごくり)その「部屋」か。


ふとした瞬間にナースが
「あなたたちもしかして日本人?」
唐突な質問だが、はじめてのことではない。

そうだ、と答えると
「日本人のスタッフがうちには4人いるのよ。あとで一人呼んでくるわ。」


なんと意外な展開

遥か10000キロ以上離れた土地で
この深夜に

同胞がいるのなら心強い


そして
待つ

先生を待つ
麻酔技師を待つ

ナースは気がついたら部屋にいない


…ふむ?
またしても「待ち時間」ね
(あとで話を聞いたら結構同じ日に出産がたくさんあったそうな)

おくさま苦しむこと数時間

そして日本人の助産師さん登場
とっても良い人で話をしながら僕らを和ませてくれる

「私もあなたと同じ歳のとき、この部屋で産んだのを思い出したわ。」
だって。なんという巡りあわせ!これはやるしかない。


「麻酔の担当者がもうすぐ来ますから」
そしてようやく到着し、麻酔処置を施す
(いわゆる北米で定番の一つとされる無痛分娩)

効き目を待つことさらに一時間前後
何度も氷を肌に当てて効き目チェック、そして「もうちょっと待つ」の繰り返し

麻酔が効いていることを確認できた後
メイン(と思しき)先生が白衣で登場

クールな女性の担当医
病院に着いてから今まで登場した人物のなかで
一番無口で、かつ話し方もなんだかぼそぼそと話している(まさか寝起きなのか?)


そのうち助産師さんが数人集まってきた…


さあて、いよいよか!!


そしたら、えっと…

私の
立ち位置はどこですか??

気が付けば妊婦さんは
助産師さんと機材に囲まれている


私は
邪魔にならない程度にベッドに近づき
ほどほどに近づきすぎない程度に
ベッドの脇から助産師さんの肩越しに応援(するのが良さそうだと判断した)


さあいきましょう!
「いきみ方」を教わるおくさん

一度目
「ぬ゛~~~~~~~~~~~~~~~」

おお、いいですよ
上手です!!!

とか応援を浴びながら
いったん休憩…

複数回やったところで
「もう頭見えていますよ」


え、もう??

そういうもんなのか?
よくわからないけど、すごいぞ、すごいぞ!
(やばい、涙腺が。なんか、おかしい)

そして
もう一度
それ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そのとき
ほんの1、2秒
無音があって


そして

「おぅうんぎゃあああああああああ!!!!!!」

泣き声だあーーーーーーーーー

担当医も助産師さんも口々に
「素晴らしい!あなたとっても上手ね!!!」
と妊婦さんを褒めてくれている

これが
赤ちゃんかあ~~~~
いや、知っているけど

産まれたての感じは知らなかったなあ

気が付けば
いきんでいたのはわずか「7分」だったそうだ…


すごい!!!すごすぎる!!!!


感動して
喜びと涙で飛び上がる
部屋の端っこにいる私


すごいぞーーーーーーーー!!!!

摘んだへその緒を切らせてもらったり
産まれたての体重を測り
日時を確認
どろどろの赤ちゃんが拭かれたあと
お母さんの胸でそっとうずくまっているのを眺めていたら

片付けがひと段落して
胎盤という名の臓器(もはや生肉という感じだったけど)を愛でて
出産というイベントはひと段落

先生は「上手だったわよ」とウインクをキメて
颯爽と去っていった(他の誰よりも一番関わる時間が短かったような気がする)

助産師さんたちも次の現場に行ったのか
一先ず僕らだけの空間が再び
(赤ちゃんと素肌をあわせる貴重な「スキントゥスキン」の時間)

とりあえず検査はまだだけど
今のところ五体満足
母子ともにすべてが順調のようである

興奮と
つい今しがた迎えた大イベントと
小さく埋もれている新しい命と

安堵による渇きや空腹なんかを徐々に感じながら
ゆっくり時間を使っていたら

気が付いた頃には
窓に
ビルの隙間から昇ってくる朝日が見えた


そして
考えていた名前候補たちを眺め
ミニ会議開催し、名前を本決め

いろいろなものが
カチッとはまった


日の光
士(さむらい)
心
偉大なボーカリスト
アルファベットのK
「こう」という音
強運の画数


こうしくん、君には
必要なものがもうすべて備わっているよ
(あと僕たちのアルファベットもね)


ようこそ
ぼくたちのもとへ

2026/09/04

A Dive Bar

夕飯前
街並みはまだ明るく
薄着で外出をして
短い夏を謳歌するひとびと

20時台に夕暮れがみえると
それは秋が近づいているサイン

駅と駅の間にひっそりとダイブバー
目立つわけでも
怪しげな雰囲気もなく

佇む

そう
存在している

木製のカウンター
年季の入った椅子やテーブル

よく冷えたパイント
数種類のドラフト

ランダムに流れるモノクロ映画

薄暗い照明
ほどよく汚れた店内

カジュアルな会話から
飛び交う汚い言葉

軽快で、愛嬌のある
タトゥーまみれの店員


まあ
気を遣うなよ


ここはダイブバー


誰も
多くは求めちゃいない

リラックスして
よく飲んで

しばし
頭を
緩めればいい

2026/09/03

(続)日の光がみえるまで

こちとら緊急事態ではあったが
急患用入口である必要はなかった気もする

夜間入口があるとは聞いていたが…

ええい、関係あるか!
と思いながらとりあえず道を切りひらいてでもたどり着くしかない(15階ってどこ!?行ったことないんだけど)

そして横でうずくまるおくさま
準備のために持ってきたあれこれ大荷物を抱えつつまずは自分だけ前進

目があった警備員にとにかく事情を説明

キョロキョロとこちらに目をやる(見るからに)急患っぽい患者さん


すると警備員が
「彼女は車椅子いるかな?」ときく

え?まずそこ??

うぅーん…

それは、、、

助かる!!(確かに)

ということでまずは目の前の車椅子を拝借

受付の警備員が仲間に無線で連絡を取り
仲間を呼ぶ

仲間の警備員登場

「上まで連れて行くよ。ちょうどそっちに行こうと思っていたんだ。」

といって車椅子を押してくれる


あ、いいんだ?
助かる~

と思い、ごちゃごちゃとした荷物をもちながら後ろをついていく

「君はずいぶん落ち着いているね。普段はもっと叫ぶひととかが多いけど。」なんて警備員が冗談をいいながら、スタスタと15階まで案内してくれた

受付はからっぽ
警備員の彼が呼んでくれて
少しした後にきたのは受付らしきベテラン風の女性

まずは受付を済ませる
その間も苦しそうな奥さま

だいじょうぶか?この状態
そう思っているのはこちらだけのようで病院の受付はいたって冷静

淡々と質問をしてきて
それを一つずつ回答しながら受付は終了

じゃあこちらに…と案内されて別室へ移動

小部屋に通してもらって
ようし、いよいよか…と気構える
車椅子からベッドへ移動を試みる際に
吐き気を耐えきれなくなるおくさま

状況を伝えると
「はいはい、大丈夫よ。今入れ物持ってきてあげる。」
そういってでてきたのは古紙で作られた桶
さっきの受付のかたが付き添ってくれている

ゲーゲー吐くのをみながら
「大丈夫。普通よ。お腹が圧迫されているの。」と解説をしてくれながらテキパキと準備を整えてくれる

あれこれ状況を説明し
先方の質問にも答えていく

そして彼女が確認してくれたところ
「もう9cm開いているわ。頑張ってるわね。」
と労いの言葉

ようし、
いいぞいいぞ(数字はどういう意味かよくわからないけども)
このまま最後までいよいよ進んでいくのか~


と思ったらどうもそこは待合室だった模様

「先生呼んでくるから、なにかあったらすぐ呼んで」
といわれ

ベッドに寝かせてもらった後 
しばし待機


…ふーん、そうなんだ


きょとんとしながら
しばし待つ…水分補給して、吐き気が落ち着くのを待ったりしながら


痛いし
苦しそうですが…?


そして次に比較的若いアジア系の方が登場

問診がてらいくつかの質問
さっきの受付兼一次対応の方にも説明した内容の大半を再度質問されて、今一度伝える


そして再び待機


うん?
いま、どういう時間??


もう一度同じ女性が登場
再び似たような問診を繰り返し

「もう少しで先生がくるから」と言って去っていく

しばし待機


「じゃあ部屋が空いたんで移動しましょう」
と先ほどの一時受付のかたが再び登場


あ、そうなんだ?移動するのね。

え、てか先生は??

まあ、いいや。
深夜だからかな。ちょっと段取りが全然分からないけど。


とにかく移動だ!
もうどこへでも連れていってくれ~(そしてこの苦しいのを早くなんとかしてあげて~)