心静かに
終わらせられるだろうか
満月の晩
ふいに訪れた静寂
階段を降りながら考える
相も変わらず
同じことばかり
答えの出ない
謎は解けない
声が聞こえない
待ち人は来ない
そしてまたその晩
忘憂のものに
宵を任せて
気が付けば
布団のうえ
忘年会とは
なんとも皮肉な
本質は忘れるどころか
顧みて
むしろ
焼き付けるために
あるような時間ではないだろうか
小さな島にいる
集まることが好きな人々は
またせっせと
理由をつくっては
人に会いに行くのさ
忘れたいことは
焼き付いているのに
覚えていたいことは
するりと抜けていく
あなたもそうして
時とともに
砂時計の砂が
一粒ずつ
下へ落ちるように
忘れていくことを
望んでいるのかもしれない
騒ぐ胸をおさえ
静かにそれを
見つめながら
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