なにが好き

冷めたコーヒーの香りと

程よく乾いた風

暖かい太陽の日差しと高い空

都市としての

都会らしさと田舎っぽさの塩梅

文化や人権を

当たり前のように大切にしようという価値観

人生について考えることはあっても

囚われの身になっているわけではなく

常に人間そのままの存在然としていられるような

解き放たれた安心感のようなものと

前向きでいられるその空気

これが好きで

それが肌にあっていた

突き詰めるのは

他人との何かではなく

いかに自分と向き合い

自分の大切な人たちと

共に育んでいくか

そこに根本を置いている

自分として向き合うから

余計なものは要らなくて

妙なものに振り回されることもなく

環境を自分で作れる下地があって

気が付けばそこに

同じ興味を持つものが

分け隔てなく集う

上や下もなく

右も左は水滴が凍るように出来上がり

勝ち負けなどではなく

考えを伝えあうことへのハードルが低い

トロントから日本にきた友だちが

"What do you so like about Toronto?"

と尋ねるので

"I have met really good people like you guys."

なんて咄嗟に答えたけど

強いて言うなら

そういうことだったかな